2024年問題の解決策とは?各業界の問題点や対策事例を解説
慢性的な人手不足や業界構造の変化によって常態化した長時間労働を是正するため、日本では2019年から「時間外労働の上限規制」が適用されています。「建設業」「物流運送業」「バス・タクシー運転手」「医師」といった一部の業種のみ、業務特性などを考慮して「時間外労働の上限規制」の適用は5年間猶予されていましたが、2024年3月末でその猶予期間も終わります。その変化が社会に与える影響は大きく、2024年以降に起こりうる諸問題は「2024年問題」と呼ばれ、さまざまな対策が講じられています。
本記事では、2024年問題の論点を整理するとともに、解決方法や対策事例などについて紹介します。
目次[非表示]
- 1.時間外労働の上限規制によって生まれる2024年問題
- 2.業界別・時間外労働の上限
- 2.1.建設業の場合
- 2.2.物流運送業の場合
- 2.3.バス・タクシー運転手の場合
- 2.4.医師の場合
- 3.貨物自動車運送事業者に関わる労働関連法改正ポイント
- 3.1.時間外労働時間の上限規制
- 3.2.時間外労働の割増賃金率の引き上げ
- 3.3.年次有給休暇の取得義務付け
- 3.4.労働時間の適正把握義務付け
- 3.5.勤務間インターバルの改正
- 3.6.同一労働・同一賃金の適用
- 4.2024年問題によって予測される諸問題
- 4.1.運送業界の人手不足の深刻化
- 4.2.勤務間インターバル制度への対応
- 4.3.荷主が負う物流コストの増加
- 4.4.建設業界の人手不足の深刻化
- 4.5.消費者が被るサービスの低下
- 5.2024年問題の解決方法
- 5.1.物流運送業での問題解決方法
- 5.2.建設業での問題解決方法
- 5.3.医療現場での問題解決方法
- 6.2024年問題の対策事例
- 6.1.JA宮崎経済連の事例|フェリーと共同輸送の活用で2024年問題に対応
- 6.2.北九州市中央卸売市場と横浜市中央卸売市場本場の事例|小ロット品目を大型トレーラー混載便によって輸送
- 6.3.淀川キリスト教病院の事例|勤務体制と環境を改善し、医師の労働時間の不均衡を是正
- 7.2024年問題を乗り越えるため、早期に対策を講じよう
時間外労働の上限規制によって生まれる2024年問題
2024年問題とは、「時間外労働の上限規制」が猶予されていた一部業種の猶予期間が終了することで生じる問題です。
時間外労働の上限規制は、2019年4月(中小企業は2020年4月)より、働き方改革に伴う労働基準法の改正によって施行されました。これは、長時間労働の常態化、またそれに伴うワークライフバランスの悪化と健康への影響を改善するための施策です。
労働基準法によって、法定労働時間は1日8時間、および週40時間と定められています。原則として、企業は法定労働時間を超えて従業員に労働をさせてはなりません。やむをえず法定労働時間を超えて時間外労働をさせる場合、あらかじめ労使協定(36協定)を結ぶ必要があります。
また、36協定を結んだからといって無制限に時間外労働を課してよいわけではなく、原則月45時間および年間360時間までの上限を守る必要があります。繁忙期や突発的業務が発生した場合など、特別な理由に際して締結される特別条項付き36協定を結んでも、下記の上限を超えることはできません。
<法定労働時間の上限>
- 1年の上限として720時間以内(時間外労働のみ)
- 1ヵ月の上限として100時間未満(法定時間外労働、および法定休日労働の合算)
- 2~6ヵ月の複数月平均80時間以内(法定時間外労働、および法定休日労働時間の合算)
- 月45時間を超えることができるのは、年6ヵ月まで
なお、上記はあくまでも限度基準の告示であり、罰則付きの強制力はないため、実態としては上限を超えた時間外労働を行うことは可能でした。しかし、2019年の労働基準法改正によって、時間外労働の上限が罰則付きの規定となり、臨時的・特別的な事情があっても特別条項付き36協定の上限を超えることは許されなくなったのです。
下記は、2024年問題のトピックで取り上げられる事業・業務です。これまで業務特性などを考慮されて長時間労働が常態化していましたが、2024年からはほかの事業・業種と同様に、時間外労働に上限が設けられます。
<労働基準法改正の適用が猶予された事業・業務>
- 工作物の建設の事業
- 自動車運転の業務
- 医業に従事する医師
- 鹿児島県および沖縄県における砂糖を製造する事業(季節的な要因により繁閑差が激しいため)
【参照】厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」|厚生労働省(2018年9月)
https://www.mhlw.go.jp/content/000350731.pdf
【参照】厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務」|厚生労働省(2024年2月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
業界別・時間外労働の上限
時間外労働の上限は、業界ごとに異なります。ここでは、問題点が多いとされる「建設業」「物流運送業」「バス・タクシー運転手」「医師」の時間外労働の上限の問題点について見ていきましょう。
なお、鹿児島県および沖縄県における砂糖製造業務の事業については、季節的な要因によって繁閑差が激しいという不可避な特性があるため紹介を除きます。
建設業の場合
建設業における時間外労働の上限は下記のとおりです。
<建設業における時間外労働の上限>
・1ヵ月45時間、1年360時間を原則とする
・災害からの復旧・復興事業に関しては、月100時間未満、2~6ヵ月平均80時間以内の規制外
【参照】厚生労働省 都道府県労働局 労働基準監督署「建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」|厚生労働省
https://jsite.mhlw.go.jp/okayama-roudoukyoku/content/contents/001508459.pdf
物流運送業の場合
物流運送業における時間外労働の上限は下記のとおりです。
<物流運送業における時間外労働の上限>
- 36協定を締結した場合は原則として月45時間、年360時間まで
- 臨時的な特別な事情がある場合でも、年960時間(休日労働を含まない)を限度とする。
時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヵ月平均80時間以内とする規制が適用されない
時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヵ月までとする規制は適用されない
【参照】厚生労働省 国土交通省「適用猶予業種の時間外労働の上限規制 特設サイト はたらきかたススメ】」|厚生労働省 国土交通省(2023年11月)
https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/truck.html
バス・タクシー運転手の場合
バス・タクシー運送業における時間外労働の上限は下記のとおりです。
<バス・タクシー運転手における時間外労働の上限>
- 36協定を締結した場合は原則として月45時間、年360時間まで
- 臨時的な特別な事情がある場合でも、年960時間(休日労働を含まない)を限度とする
- 時間外労働と休日労働の合計について、月100時間未満、2~6ヵ月平均80時間以内とする規制が適用されない
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヵ月までとする規制は適用されない
医師の場合
医師の時間外労働の上限例は下記のとおりです。
<医師の時間外労働の上限>
- 特別条項つきの36協定を締結した場合の年間の時間外・休日労働の上限は最大1,860時間
- 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満、2~6ヵ月平均80時間以内とする規制は適用されない
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヵ月までとする規制は適用されない
※医療法等に追加的健康確保措置に関する定めがある
【参照】厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務」|厚生労働省(2024年2月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/gyosyu/topics/01.html
貨物自動車運送事業者に関わる労働関連法改正ポイント
2024年問題の中でも特に注目度が高いのが、2023年12月に改正された「改善基準告示」といえます。時間外労働の上限規制による物流への影響が「物流の2024年問題」としてクローズアップされることも多いため、詳しく見ていきましょう。
【参照】公益社団法人全日本トラック協会「令和6年4月から適用 改善基準告示が改正されました(厚生労働省)」|公益社団法人全日本トラック協会(2022年12月)
https://jta.or.jp/member/rodo/mhlw_kaizen.html
時間外労働時間の上限規制
ドライバー(自動車運転業務従事者)は、2019年4月から年960時間(休日労働を含まない)の時間外労働の上限規制が適用されます。一般の業種と一線を画した特例となっているのは、自動車運転業務で長時間労働が常態化しており、深夜・早朝勤務や宿泊を伴う勤務なども多いためです。
業務実態と制度との乖離を埋めるため、特例でのスタートでまずは5年の猶予を設けることになりました。
時間外労働の割増賃金率の引き上げ
ドライバー(自動車運転業務従事者)の賃金については、他業種の中小企業と同様に2023年4月1日から、月60時間超の時間外労働への割増賃金率が、25%以上から50%以上へと引き上げられています。
なお、月60時間までの時間外労働への割増賃金率は、25%以上のままです。
【参照】厚生労働省「2023年4月1日から 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」|厚生労働省(2022年4月)
https://www.mhlw.go.jp/content/000930914.pdf
年次有給休暇の取得義務付け
他業種の中小企業と同様に、年休付与日数が10日以上のドライバー(自動車運転業務従事者)は、付与された有給休暇のうち5日以上は必ず取得することが義務付けられました。
使用者は、この点を必ず就業規則に記載しなくてはなりません。
労働時間の適正把握義務付け
労働時間の適正把握義務付けも、大きな改正ポイントです。他業種の中小企業と同様に、運送事業者で働くすべての人の労働時間はタイムカードなどで把握することが義務化されました。時間外労働が一定時間を超えた従業員から申し出があれば、使用者は医師の面接指導を受けさせる必要があります。
勤務間インターバルの改正
トラックの「改善基準告示」改正にもとづき、勤務時間インターバルの制度が改正前の「継続8時間」から「継続11時間を基本とし、9時間を下回らない」へと改正されました。この改正によってドライバー(自動車運転業務従事者)の1日の休息時間は、勤務終了後から9時間以上の確保が必要となり、その分だけ勤務の拘束時間も減ることとなります。
【参照】厚生労働省 労働基準局 監督課「資料1-1 トラックの「改善基準告示」見直しのポイント」|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000987085.pdf
同一労働・同一賃金の適用
同一労働・同一賃金は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との不合理な待遇差を解消するための制度です。大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より適用となっており、貨物自動車運送事業も非正規雇用のドライバーの給与体系や評価基準について正しく規定することが求められます。また、労働者に対する待遇に関する説明義務も強化されました。
【参照】公益社団法人全日本トラック協会「パートタイム・有期雇用労働法に対応したトラック運送事業者のための同一労働同一賃金の手引き」|公益社団法人全日本トラック協会(2021年3月)
https://jta.or.jp/wp-content/uploads/2021/05/same_text.pdf
2024年問題によって予測される諸問題
2024年問題によって、社会はさまざまな影響を受けるといわれています。ここでは、2024年問題によって予測される代表的な問題を見ていきましょう。
運送業界の人手不足の深刻化
ドライバーの時間外労働の上限が規制されると、実質的に稼働できる時間は短くなります。日本の少子高齢化による労働人口減少や、運送業が従来から抱えている賃金の妥当性などの構造的な問題と相まって、人手不足はさらに深刻化すると考えられます。
勤務間インターバル制度への対応
前日に仕事を終えてから翌日の勤務開始までの休息時間を定める「勤務間インターバル制度」が企業の努力義務となり、1人のドライバーが長い距離を往復して商品を配送するような働き方は現実的に難しくなりました。物流企業は、労働時間や人員配置を見直す必要に迫られています。
荷主が負う物流コストの増加
物流業界の人手不足のしわ寄せによって、運賃の値上げも予想されます。物流コストが増大することで、荷主の負担は大きくなるでしょう。
建設業界の人手不足の深刻化
元々、熟練作業者の高齢化と現役世代の減少で人材不足が常態化している建設業界では、残業時間の上限規制が始まることによってさらに人手不足が進むことも予測されています。限られたマンパワーでいかに2024年問題に対応するか、適切な対策を検討する必要があります。
消費者が被るサービスの低下
2024年問題で長距離輸送に制限がかかると、翌日配送や時間指定といったサービスの継続が困難となります。再配達の有料化、配送料の増加なども考えられるでしょう。
2024年問題の解決方法
2024年問題に対しては、社会全体で何かしらの対策を施す必要があります。ここでは、物流運送業、建設業、医療業界、それぞれの2024年問題の解決方法を紹介します。
物流運送業での問題解決方法
2024年問題における物流運送業の問題解決方法としては、下記の6点が挙げられます。
-
労働環境を改善して働きやすい職場にする
まずは労働環境そのものを改善することで、人手不足の解消に着手します。賃金アップ、有給取得の推奨などによってワークライフバランスが維持できれば、新たなドライバーの成り手が増えることが期待できます。
-
輸送・配送方法を変える
短い勤務時間と勤務体系でサービスの質を維持するためには、輸送や配送のやり方を変える必要があります。交代制の強化や2人1組のペア体制の導入といった検討も効果を発揮するでしょう。
-
積載効率を改善する
トラックの許容積載量に対して、実際に積載している貨物の割合を示す積載効率を見直すことは、有効な解決策のひとつです。適切な積載量を見極めれば無駄がなくなり、人的コストもエネルギーコストも削減できます。 集約型物流拠点を分散化する
物流拠点を分散化し、配送先に近い拠点から荷物を出荷することも効果が期待できます。配送コスト削減と配送日数の短縮化も図れるでしょう。DXによって業務を効率化する
これまで属人的だった荷下ろしや検品の業務をDXによって効率的にすれば、トラックドライバーの仕事を減らして勤務時間を削減できます。積載率や車両運行時間などを考慮して効率的に配送計画を立てる自動車配車支援システムや、運行データを自動的に記録するデジタルタコグラフなどの導入が有効です。ガイドラインを参考にした施策を実施する
経済産業省は、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しています。まずはガイドラインに示された施策を進めていくと、無駄なく労働環境を改善できるはずです。
【参照】経済産業省「「
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230602005/20230602005.html 物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました」|経済産業省(2023年6月)
【参照】国土交通省「物流DXの推進に関する取組み」|国土交通省(2023年3月)
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000018.html
建設業での問題解決方法
2024年問題における建設業の問題解決方法としては、下記の3点が挙げられます。
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適正な工期で契約を締結する
工事の受発注にあたっては、受注者と発注者の双方に適正な工期の確保に向けて努力する責務があります。長時間労働を前提とした工期にならないよう、互いに配慮することが重要です。 働き方改革推進支援助成金の利用を検討する
2024年問題の解決に向けて労働環境の整備に取り組む事業者は、働き方改革推進支援助成金を受けられる可能性があります。2024年問題の対策の一助として、要件内容の確認は押さえておきたいポイントです。国の人材確保・育成サポートを利用する
国土交通省と厚生労働省はそれぞれが連携して、建設業の人材確保・育成をサポートしています。人材確保や育成、魅力ある職場づくりの推進を支援する取り組みが実施されているため、自社に合うものを検討してみてはいかがでしょうか。
【参照】国土交通省不動産・建設経済局建設業課「建設工事における適正な工期の確保に向けて」|国土交通省(2023年5月)
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001612259.pdf
【参照】厚生労働省「労働時間等の設定の改善 働き方改革推進支援助成金」|厚生労働省(2023年7月)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/index.html#h2_free3
【参照】国土交通省 厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けて(令和6年度予算概算要求の概要)」|国土交通省 厚生労働省(2023年9月)
https://www.mhlw.go.jp/content/11606000/001140050.pdf
医療現場での問題解決方法
医師が担当する業務の中には、医師以外の職種でも対応できる処方薬の提案、人工呼吸器の離脱といった業務が含まれています。これらをタスクシフト・タスクシェアし、医師は医師にしかできない業務に注力することで、労働時間の削減が期待できます。
【参照】厚生労働省「現行制度上実施可能な業務について」|厚生労働省(2020年9月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000597166.pdf
2024年問題の対策事例
2024年問題に対しては、個別具体的な対応も必要です。ここでは、2024年問題の対策に有効といえる事例を紹介します。
JA宮崎経済連の事例|フェリーと共同輸送の活用で2024年問題に対応
JA宮崎経済連は2024年問題を見据えて、自動車の貨物輸送を鉄道や船舶の輸送へと転換するモーダルシフトを進展させました。2023年の時点で県外出荷の57%がフェリーによる輸送となっており、2024年にはその割合を70%にまで向上させる目標を掲げています。
また、箱詰めが終わった製品の検量などを行う各地の選果場を運送事業者がつなぎ、共同輸送も実施。共同輸送率は2023年の時点で63%となっており、2024年には70%まで拡大させることを目指しています。
【参照】農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部「物流2024年問題に対応した先行事例について」|農林水産省(2024年1月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/attach/pdf/buturyu-486.pdf
北九州市中央卸売市場と横浜市中央卸売市場本場の事例|小ロット品目を大型トレーラー混載便によって輸送
遠隔地である北九州市中央卸売市場と横浜市中央卸売市場本場の両青果卸売業者は、お互い集荷した小ロット品目の青果物を大型トレーラーに多数混載し、週に2~3往復荷のやりとりを実施。それまで各産地の青果を大型トレーナーによってそれぞれ陸上輸送していましたが、船舶輸送によるモーダルシフトも併用することで効率の良い往復荷のやりとりを実現させました。
この取り組みによって、両市場の品揃えが豊富になっただけでなく、仲卸等の顧客満足度も向上したそうです。また、両卸売業者の職員の人的交流も活発になり、人材育成にも好影響を与えています。
【参照】農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部「物流2024年問題に対応した先行事例について」|農林水産省(2024年1月)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/ryutu/attach/pdf/buturyu-486.pdf
淀川キリスト教病院の事例|勤務体制と環境を改善し、医師の労働時間の不均衡を是正
産婦人科を中心とした淀川キリスト教病院では、医師が当直をした翌日は必ず半休できるよう勤務体制を変更。1人の医師が担当する患者の情報も、全体で共有してフレキシブルに担当変更が可能な環境を構築しました。さらには、事務的な作業を代行できるドクターズアシスタントも導入し、労働時間の是正に積極的に取り組みました。
これらの取り組みの結果、時間外労働は月80~100時間から30時間程度まで減少したそうです。
【参照】いきいき働く医療機関サポートWeb いきサポ「医療機関インタビュー」|厚生労働省(2024年3月)
https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/casestudy/interview/11
2024年問題を乗り越えるため、早期に対策を講じよう
2024年問題が社会に与える影響は甚大であり、早期の対策が欠かせません。これらの問題解決に向け、国も助成金や人材確保・育成サポートを推進する取り組みを講じています。今回ご紹介した事例も参考にしていただき、2024年問題は早めの対策を講じましょう。
なお、人手不足問題の解決策のひとつとして、マイナビ出向支援サービスの活用もご検討ください。
「マイナビ健康経営」は、人と組織の「ウェルネス(健康)」を総合的にサポートしています。従業員の心身の健康向上をお考えの際には、お気軽にご相談ください。
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