睡眠指針とは?健康づくりに欠かせない睡眠指針の最新情報を解説
「ぐっすり寝て起きたら、気力も体力も回復していた」と感じたことがある人は多いでしょう。
睡眠には、体や脳、心を休ませ、体内のリズムを整える働きがあります。睡眠時間を削って1時間長く働くよりも、1時間長く寝たほうが良いパフォーマンスを発揮できるかもしれません。
しかし、多忙な現代人の多くはその「1時間」を捻出するのが難しく、睡眠の時間的・質的な不足が顕著であるといわれています。
こうした状況を受け、厚生労働省は「健康づくりのための睡眠ガイド2023」として睡眠の指針をまとめました。本記事では、睡眠障害を予防し、健康的な生活を送るために参考にしたい「睡眠指針」について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.睡眠障害を予防するための方法を示した12箇条の睡眠指針
- 2.質の高い睡眠とは?
- 3.日本人の平均睡眠時間とその問題点
- 3.1.理想的な睡眠時間
- 3.2.睡眠の重要性と健康への影響
- 4.質の高い睡眠を得るための日常の工夫
- 4.1.体内時計を整える
- 4.2.運動と食事などの生活習慣を整える
- 4.3.嗜好品の摂取の量とタイミングを検討する
- 4.4.交代勤務の場合、眠気の覚まし方や光との付き合い方に配慮する
- 5.睡眠不足の状態であることを知る方法
- 6.睡眠指針を活用した健康的な生活リズムの作り方
- 6.1.1 良い睡眠で、からだもこころも健康に
- 6.2.2 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
- 6.3.3 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります
- 6.4.4 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
- 6.5.5 年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
- 6.6.6 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
- 6.7.7 若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
- 6.8.8 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
- 6.9.9 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
- 6.10.10 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
- 6.11.11 いつもと違う睡眠には、要注意
- 6.12.12 眠れない、その苦しみは1人でかかえずに、専門家に相談を
- 7.企業が推進できる環境整備
- 8.睡眠指針を活用し、質の高い睡眠で健康な毎日を
睡眠障害を予防するための方法を示した12箇条の睡眠指針
睡眠指針とは、健康的な生活を送るために必要な睡眠時間や良質な睡眠を確保し、睡眠障害を予防するための方法を示した12箇条の指針のことです。
2014年、休養に足る睡眠をとれていない国民が多いとして、厚生労働省は「健康づくりのための睡眠指針2014」を策定しました。その中の12箇条には、策定当時の医学的エビデンスを踏まえ、睡眠に関する知識や理想的な生活習慣、望ましい睡眠環境、年代ごとの睡眠の問題と対策等についての情報がまとめられています。
しかし、その後も日本人の睡眠時間に大きな変化がないこと、また「適正な睡眠時間の確保」と「睡眠休養感の向上」が健康寿命の延伸につながることが最新の研究で明らかになりつつあることから、新たに「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が策定されました。
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、厚生労働省が展開する「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第三次))」において目標として掲げられた、適正な睡眠時間と睡眠休養感の確保に向けた推奨事項について、「成人」「子供」「高齢者」の3区分に分けて取りまとめています。
また、より良い睡眠を確保するために個人でできる対策や、留意すべき点についても医学的知見を根拠とした参考情報として追記され、ツールとしても手軽に活用できる内容になりました。医療機関の受診が推奨される「睡眠障害」についても言及しています。
【参照】厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」|厚生労働省(2014年3月)
https://www.mhlw.go.jp/content/001208251.pdf
質の高い睡眠とは?
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、「適切な量の睡眠の確保や、睡眠の質の改善、睡眠障害への早期からの対応によって、事故の防止とともに、からだとこころの健康づくりを目指す」としています。では、どのような睡眠を質の高い睡眠というのでしょうか。
質の高い睡眠とは、適度な長さで睡眠の休養感がある睡眠です。昼夜のメリハリがはっきりしていて、起床後スムーズに日中の活動に移ることができるか否かも、良い睡眠かどうかを判断する目安として役立ちます。
質の高い睡眠は、眠りの深さ、リズム、連続性、時間帯といった複数の要素がうまく噛み合ったときに実現します。十分な睡眠時間を確保することは重要ですが、健康維持に有用な睡眠時間には個人差があり、単に長く眠れば良いわけでもありません。
自分にとって最適な睡眠時間を見つけることも、質の高い睡眠を得るために重要なことです。
【参照】国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部「睡眠時間指標を補填し国民の健康増進に資する「睡眠の質」指標の探索 栗山健一著」|厚生労働省(2020年)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2019/192031/201909025A_upload/201909025A0003.pdf
【参照】厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」|厚生労働省(2023年10月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf
日本人の平均睡眠時間とその問題点
まずは良い睡眠を担保する「時間」と「質」のうち、時間について見ていきましょう。
OECD(経済協力開発機構)が2021年に世界33ヵ国を対象に行った各国国民の時間の使い方調査において、日本人の睡眠時間の平均は7時間22分と、調査対象国の中で最も短いことが明らかになりました。
2019年に厚生労働省が実施した「令和元年国民健康・栄養調査」では、日本人の1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が全年代を通じて最も多く、50代の約半数の睡眠時間が6時間以下であることもわかっています。
また、平日の睡眠不足を休日の「寝だめ」で補おうとする傾向も明らかになりました。なお、寝だめをしても、平日の日中の眠気を完全に解消することはできないといわれています。むしろ、寝だめによって生活リズムに乱れが生じ、健康を損なうおそれがあります。
【参照】健康づくりネット「良い目覚めは良い眠りから 知っているようで知らない睡眠のこと」|厚生労働省(2023年3月)
https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/guide-sleep.pdf?1706140800123
【参照】厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」|厚生労働省(2023年3月)
https://www.mhlw.go.jp/content/000711008.pdf
理想的な睡眠時間
理想的な睡眠時間は、年代や個人の特性によって差があります。まずは、自分自身の睡眠時間と起床後の状態を照らし合わせ、「最も活動的になれる睡眠時間は何時間か」を把握することが大切です。
参考までに、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、年齢ごとの適切な睡眠時間を下記のように示しています。
<年齢ごとの睡眠時間の目安>
- 高齢者:寝床にいる時間を8時間以下に抑えつつ、必要な睡眠時間を確保する
- 大人:6時間以上寝て、適切に労務管理をする
- 中学生・高校生:8~10時間
- 小学生:9~12時間
睡眠の重要性と健康への影響
日本には、睡眠時間を削って働いたり、学んだりすることを努力の証として評価する風潮があります。確かに、そうした姿勢が戦後の経済成長を支えてきたことは間違いないかもしれません。
しかし現在は、長時間労働で睡眠時間を削る、あるいは睡眠の質が落ちることによって、生産性が低くなるといわれています。さらに、慢性的な睡眠不足は、日中の眠気による集中力の低下、意欲・記憶力の減退のほか、疲労やストレスの蓄積などによって日常生活に多大な影響を及ぼします。
睡眠不足は体内のホルモン分泌や自律神経機能にも影響を及ぼすため、食欲を抑えるホルモンの働きが低下して食欲が増大する可能性も考えられるでしょう。睡眠不足の結果として、心筋梗塞や狭心症といった冠動脈疾患、糖尿病などの生活習慣病にかかる可能性が高まるかもしれません。精神面への影響も顕著で、うつ病のリスクが高まることもわかっています。
上記のように睡眠不足の状態が続くと生活習慣病やメンタル不調のリスクが高まり、従業員がいきいきと働き続けることは困難になっていくかもしれません。睡眠は生産性やパフォーマンスの向上とも密接につながるため、健康経営優良法人の調査票の評価においても重要な要素となっています。従業員が質の高い睡眠によって休養をとれているか否かは、企業の成長にも関わる重要課題です。従業員自身も睡眠の知識を得ることで、自身のヘルスリテラシーを向上させていくことが、これからの時代には求められています。
【参照】e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」|厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html
質の高い睡眠を得るための日常の工夫
それでは、質の高い睡眠を得るためにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、日常生活の中でできる工夫を4つご紹介します。
体内時計を整える
人間を含む生物には、24時間周期の昼夜の変化に応じて、体内環境を変化させる体内時計が備わっています。外界の明るさ・暗さに応じて体内時計を正確に動かすことによって、入眠・覚醒のリズムを整えているのです。
まずは、朝の強い光を浴び、体内時計をリセットすることから始めましょう。これにより、睡眠と覚醒のリズムが整っていくはずです。また、日中に光を多く浴びることによって、夜間のメラトニン分泌量を増やし、スムーズな入眠につなげることが期待できます。
【参照】e-ヘルスネット「体内時計」|厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html
運動と食事などの生活習慣を整える
適度な運動は、質の良い睡眠につながります。また、運動習慣がない人は、「睡眠で休養がとれた」という感覚も薄いことがわかっています。座りっぱなしでパソコンやスマートフォンを見ている時間を減らし、1日の中に運動をする時間をぜひ取り入れていってください。
運動を行う時間はいつでも構いませんが、就寝予定時刻から1時間以内の運動は睡眠の質を低下させるおそれがあるため、控えたほうが無難です。
また、朝食をとることも、体内時計の調整に有用です。一方、就寝前の食事や間食は体内時計のリズムを乱し、睡眠の質の低下につながるため、規則正しく3食をとることを心掛けていきましょう。
【参照】厚生労働省「良い睡眠の概要(案)」|厚生労働省(2023年10月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151837.pdf
嗜好品の摂取の量とタイミングを検討する
睡眠は、日常的に摂取する嗜好品、およびその摂取タイミングによっても影響を受けます。
覚醒作用があるカフェインを含む飲み物は、1日400mg(コーヒー700cc程度)に抑えてください。晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲む寝酒は睡眠の質を悪化させるおそれがあるため、控えめな晩酌がおすすめです。
習慣的にニコチンを摂取している喫煙者は、非喫煙者に比べて寝つきが悪く、中途覚醒による睡眠時間の減少が見られます。禁煙をしたほうが、より良い睡眠につながるでしょう。
交代勤務の場合、眠気の覚まし方や光との付き合い方に配慮する
医師や看護師をはじめ、深夜利用のニーズがある店の店員、24時間監視が必要なシステムの保守・運用など、日勤と夜勤をローテーションしながら働く交代勤務の人は、通常なら眠る時間に起きて働くことによって睡眠や精神・身体機能に影響が及ぶことがあります。
そのため、良質な睡眠に向けてよりいっそうの工夫が必要です。例えば、下記のような対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<良質な睡眠に向けた対策例>
- 勤務と勤務のあいだに、十分な休みをとる
- 夜勤の合間に仮眠をとる
- 眠気を感じたときに、カフェインを大量に摂取しないようにする
- 強い照明にあたるのを避ける
【参照】e-ヘルスネット「交代勤務睡眠障害」|厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-017.html
睡眠不足の状態であることを知る方法
自分ではよく寝ているつもりなのに寝不足が解消されない、昼間に眠くてたまらないといった場合、実は自分の体が求める睡眠時間に達していない可能性があります。
睡眠時間は十分に確保できていても、生活習慣の乱れや嗜好品の影響によって睡眠の質が低下していることも考えられるでしょう。
下記のようなサインがあるときは睡眠不足を自覚して、いち早く改善に取り組むことが重要です。
<睡眠不足のサインの例>
- 朝から疲労感があり、常に疲れが抜けない
- 集中力が落ちる
- イライラし、不機嫌になる
- 集中力が続かない
- 気分が落ち込む
- 頭痛など、心身の愁訴(患者の自覚的訴え)が増加する
- 判断力が低下する
- 作業効率が落ちる
【参照】厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023(案)」|厚生労働省(2023年12月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
睡眠指針を活用した健康的な生活リズムの作り方
睡眠不足のサインがあるときは、睡眠・覚醒リズムのコントロールに取り組みましょう。睡眠指針を参考にすると、自分に足りない習慣や改善すべき行動を把握しやすいはずです。
ここからは12箇条の指針にもとづく具体的な対策の例を挙げていきます。
1 良い睡眠で、からだもこころも健康に
睡眠の状況は定期的に見直すことが大切です。良い睡眠をとれた日を参考に、早期に量と質の適正化を図りましょう。
2 適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを
適度な運動はスムーズな入眠と中途覚醒のない睡眠に不可欠であり、朝食は目覚めを促します。規則正しい食事と習慣的な運動で、睡眠と覚醒のバランスを整えましょう。
3 良い睡眠は、生活習慣病予防につながります
睡眠時間が不足している人や不眠の人は、生活習慣病になる危険性が高いといわれています。病気のリスクがあることもしっかりと認識し、できるだけ睡眠の質と量を確保しましょう。
4 睡眠による休養感は、こころの健康に重要です
眠れない、寝ても寝た気がしないといったときは、こころのSOSかもしれません。うつには9割近く不眠が伴うといわれているため、回復しないときは医療機関の受診をおすすめします。
5 年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を
日中に眠気に襲われることが多い人は、やはり適切な睡眠時間をとれていないことが考えられます。眠気で困らない程度の睡眠時間を目指して、自分にとって最善の睡眠時間を探りましょう。
6 良い睡眠のためには、環境づくりも重要です
自分に合ったリラックス法があると、眠りに入りやすくなります。就寝前の脳が睡眠に適した状態に移行していくのを妨げないよう、寝室を心地よい温度に保ったり、照明を暗くしたりして環境を整えましょう。
7 若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ
思春期の子供たちは、夜型になりやすく、休日に長く寝る傾向があります。寝る前のスマートフォンやPCの使用は避けるようにし、規則正しい生活を送ることが大切です。
8 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を
勤労世代は、日中に眠気があると仕事の能率が低下します。休日の寝だめに頼らず、毎日十分な睡眠をとりましょう。
午後、昼寝を取り入れることも効果的です。9 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠
熟年世代は眠り過ぎに注意が必要です。年齢に応じた睡眠時間を超えて寝床で過ごすことがないよう、昼間に適度な運動を取り入れて生活にメリハリをつけましょう。
10 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない
寝床につく時間を意識しすぎると、眠らなければと思うあまり眠れないこともあるかもしれません。そのため、就寝時間にこだわりすぎず、眠くなったら寝床に入ることを心掛けましょう。少し寝床に入るのが遅れても、一定の時刻に起床して太陽光を取り入れれば入眠時刻も安定していくはずです。
11 いつもと違う睡眠には、要注意
普段とは違う激しいいびき、歯ぎしり、呼吸停止、手足のぴくつきなどがある場合は、医師や歯科医師に相談しましょう。特に、日中の激しい眠気は睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため注意が必要です。
12 眠れない、その苦しみは1人でかかえずに、専門家に相談を
睡眠に問題があり、日中の生活に支障があるときは専門家に相談しましょう。薬やカウンセリングで状態の改善が見込めるほか、眠れない苦しみや孤独感を打ち明けるだけでも心が楽になるかもしれません。
【おすすめ参考記事】
企業が推進できる環境整備
睡眠の質の向上は、従業員個人の努力だけに頼っていては、組織全体のリテラシー向上にはつながりにくいといえます。健康経営を推進する意味でも、企業が各人の睡眠環境の整備をフォローすることも必要です。
例えば、テレワークやフレックス制度を導入すれば、従業員は柔軟にタイムマネジメントを行うことができ、質の高い睡眠の機会が増えるかもしれません。長時間の通勤時間を続けている従業員の場合であれば、通勤時間の分だけ睡眠時間を確保できる可能性もあります。
また、長時間座りっぱなしのデスクワークを続けていると血流が悪くなるリスクがあり、腰痛や肩こりの原因ともなります。睡眠の質を妨げる要因を取り除く意味でも、仕事中に軽めのストレッチを定期的に行うことは有効です。制度として短時間の休憩を設ける、もしくは自由にストレッチができる社風にするなど、良質な睡眠のために企業が後押しできることは、ぜひ推進していってください。
睡眠指針を活用し、質の高い睡眠で健康な毎日を
継続的に良い睡眠をとることは、いきいきとした健康的な暮らしを送り、仕事や勉強のパフォーマンスを向上させる上で欠かすことができません。
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